React.js と Vue.jsの比較

フロントエンド開発をするにあたり、JavaScriptのフレームワーク・ライブラリでReactかVueのどっちで実装するのか悩むケースは多いのではないでしょうか?

どちらも幅広く利用されているフレームワーク・ライブラリですし、どちらでも実装が可能なことが悩む要因かと思います。
そこで今回はReactとVueを様々な視点から比較して説明します。

React.jsの基本情報

React は、2011年にFacebook社(現メタ・プラットフォームズ社)によって開発されました。

扱いやすさと、保守性に優れており、多くの有名企業でReactは採用されています。
Reactはオープンソースのライブラリとして公開されているため、世界中で日々アップデートがされています。

Vue.jsの基本情報

Vue.jsは2014にEvan You によって開発されました。

Evan Youは元Google開発者であり、AngularJS を利用し、Angularフレームワークの欠点を取り除いた、シンプルで使いやすいシステムを目指し開発されました。

Vue.jsは、ユーザーインターフェイスを構築するためのJavaScriptフレームワークです。開発で必要な機能がセットになったツールになっています。
様々な機能が用意されているため、操作を覚えると扱いやすく少ない記述で実装が可能です。

利用者の比較

利用者の比較を見ていきます。
今回は、IT技術者のSacha Greif氏とRaphaël Benitte氏が、JavaScriptに興味を持つ世界中のIT技術者約2万4000人にアンケートを取った結果を参考に見ていきます。
参考元https://www.publickey1.jp/blog/21/state_of_javascript_2020reactexpressjest24000.html

React.jsの利用者

React.jsは「利用率80%」と結果が出ています。

下記のグラフより分かるようにReactの伸び率が顕著に見えることがわかります。
世界的に見るとReactが一番多く利用されていることが分かります。

引用元:https://logmi.jp/tech/articles/323856

Vue.jsの利用者

Vue.jsは「利用率49%」と結果が出ています。
しかし、日本でのGoogle検索率では46%とReactと遜色ない検索率となっています。

引用元:Google Trends

日本語ドキュメント・コミュニティの比較

開発にはドキュメントの多さ、問題を共有できるコミュニティの多さは重要になります。日本語ドキュメントとコミュニティの状況を見ていきましょう。

日本語ドキュメント

React, Vueともに日本語ドキュメントは存在します。

しかし、充実度ですとVue.jsが日本語ドキュメントが一番存在します。
特にバージョンアップ情報を日本語で入手したいのであればVue.jsがおすすめだと思います。

公式Reactドキュメント

公式Vueドキュメント

コミュニティの活発度

日本国内でのコミュニティ活発度で比較すると、Google Trendsを見る限りあまり違いはないことが分かります。
また、国内のIT質問サービスQiitaやteratailでの投稿数を比較すると、「React:4080件」「Vue:4700件」と大きく差はありませんでした。

やはり日本国内でのコミュニティの差はないようです。
ただし、コミュニティを世界的に比較するとReact.jsが圧倒的に多いことが分かります。

開発実績

ここでは、Webサービスやアプリの開発に実際使われている実績を紹介していきます。

React.jsの開発実績

React.jsで開発された代表的なサービス・アプリには以下があります。

Instagram

引用元:https://www.instagram.com/

Airbnb

引用元:https://www.airbnb.jp/

Skype

引用元:https://www.skype.com/ja/

Vue.jsの開発実績

Vue.jsで開発された代表的なサービス・アプリには以下があります。

弁護士ドットコム

引用元:https://www.bengo4.com/

Coincheck

引用元:https://coincheck.com/ja/

Retty(レッティ)

引用元:https://retty.me/

教育コスト

会社内で研修を含む教育コストの視点で考えると、既にReactやVueに詳しい人がいるのであれば問題はないですが、両方ともまだ使ったことがないのであれば、Vue.jsの方が教育コストは低いと思われます。

特徴の比較

仮想DOMを利用している点、コンポーネントの機能を有している点など共通点が多いです。両者共、軽量で高速なパフォーマンスを実現でき、React.jsとVue.jsを比べても甲乙つけがたいです。

比較するためにも、これまで紹介してきた内容を元に特徴をまとめています。

React.jsの特徴

React.jsは使ってる人がVueの4倍ほどいると言われているので、海外を含めるとドキュメントとコミュニティの多さはVue.jsより優れているといえます。利用者数が多いことは = 開発(バージョンアップ)も活発に行われていることがわかります。

また、React.jsはモバイルアプリを開発できるReact Nativeや、VRを実装できるVR 360など様々な開発に応用できる利点もあります。

Vue.jsの特徴

Vue.jsの方がシンプルなコードで取り組みやすいため、HTMLをそのまま直感的に使うことができ、比較的習得難易度が低い点があります。

日本国内で開発をするのであれば、日本語ドキュメントが多く、コミュニティも活発なVue.jsを選択して、学習のコストを下げることを優先することも選択肢に入るかと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
JavaScriptフレームワーク・ライブラリのReact.jsかVue.jsを比較してご紹介しました。
よく比較されるReact.jsかVue.jsですが、詳細を見ていくと違いが見えてきたかと思います。そもそもフレームワークは利用用途によって使い分けされるものです。

JavaScriptは様々な場面で利用されていますので、状況に応じてReactとVueが使い分けされるのは当たり前なのです。そのため需要が大きく変化するのではなく、必要に応じてそれぞれが適切に利用されると考えておいて良いでしょう。

ただし、将来性を考慮して判断をするのであれば、React.jsはVue.jsより期待できるといえます。

その理由は、世界的にGoogle Trendsの検索率を見ると、Vue.jsよりReact.jsの方が大きく検索されているからです。世界的に見るとReactがトレンドになっています。